日本興亜損保vsサウスイースタン(第三ラウンド)

日本興亜損害保険株式会社の大株主であるサウスイースタン・アセット・マネジメントは、昨年に引き続いて日本興亜損保・現社長の兵頭氏の社長就任に反対するとのコメントを公表しました。
日本興亜の取締役選任に関する議決権行使について」
http://www.southeastern.jp/jp/release/data/03262009.html
(Southeastern Asset Management, Inc. ニュースリリース 2009.3.26)

サウスイースタン・アセット・マネジメント(以下、サウスイースタン)は、誠に残念ながら、日本興亜損害保険株式会社(以下、日本興亜代表取締役社長兵頭誠氏の再任に反対票を投じることをお知らせいたします。この一年、弊社は兵頭氏に対し、コーポレートガバナンスの向上や投資運用方針の一部変更など、幾多の歩み寄りを試みてきました。投資運用方針の一部変更とは、投資運用業務と保険引受業務の分離を目指し、複数年かけて移行していくものです。
こうした変更は、1株当たりNAV(純資産価値)の長期的な成長を重視する経営への移行とならび、全ステークホルダーにとっての明るい未来につながると確信しております。
 
サウスイースタンは、別の取締役候補者を、経験・能力・独立性に基づき選考したいと考えます。株式会社損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)との統合交渉を進める日本興亜のリーダーが誰であっても、サウスイースタンは協働していくことを望んでおります。そして日本興亜が、単独で、あるいは損保ジャパンとともに、日本市場および世界市場においてもリーダーとなることを期待することに変わりはありません。

 
このリリース資料では、ざっくり書くと以下の2点について述べています。ただ、あまり深くは述べておらず、何故そのような判断をしたのか?新たに送る取締役は誰で具体的に何をさせるのか?といったことが書かれていません。

  • 兵頭氏の社長再任に反対する
  • 別の取締役候補者を送る

しかし、サウスイースタンの方針が変わっていないなら、同社が9月に出した資料にあることを推進させたいのでしょう。ただ、あの後にリーマンショックがあり、経済環境も急激に変わったので、まったく同じ考えではないかもしれません。
 
2008/6/15に「日本興亜損保vsサウスイースタン(第一ラウンド) 」で当時の両社の主張をまとめましたが、今回のリリース資料では去年ほど兵頭氏個人の落ち度を責めていません。
しかし、去年はただ単に反対票を投じるとしていたにすぎませんが、今回は別の取締役を送る意向を示しています。それが単なるヒラの取締役なのか、社長の座を狙うものなのかこのリリース資料からだけでは分かりません。
一方で、他の株主と結託したり、議決権を集めたりするつもりはないとのことです。でも、去年はサウスイースタン以外にも兵頭氏の社長就任に反対する株主がいたらしいですし、兵頭氏の反対勢力があるとの話もありますので、安穏としてはいられないことと思います。
 
早ければ明日あたりに、補足のリリース資料がサウスイースタンから出るかもしれませんし、日本興亜損保からも何か出るかもしれません。