プリウスと自動車保険の抱き合わせ販売?

あいおい損害保険株式会社が自社の自動車保険の車両保険について、新型プリウスに対して 15% の保険料割引を実施するというニュースリリースを発表しました。このリリース資料の書きぶりでは、15%割引の対象は新型プリウスのみと読めます。これはどういう理屈で可能となるのでしょうか?
根拠は例によって闇の中なので、憶測で書いてしまいます。(いつも憶測ばかりかもしれませんが、今回はいつもに増して憶測だらけです。)
「新型プリウスに対する車両保険15%割引の適用について」
http://www.ioi-sonpo.co.jp/corporate/news/pdf/2009/20090518.pdf
あいおい損害保険株式会社 ニュースリリース 2009.5.18)

今般、自動車保険における環境配慮型商品のひとつである『ドーン!とおまかせ※』において、トヨタ自動車株式会社が本日発売した「新型プリウス(型式:ZVW30)」を対象に、車両保険料の15%割引を適用いたしますのでお知らせします。
※『ドーン!とおまかせ』は、「耐損傷性・修理性改善係数」のペットネームです。

まずは、料率面から考えてみます。
このリリース資料によると、最後の※印をまっとうに受けるのであれば、この15%割引は純率の割引ということになります。
つまり、リリース資料に書いてあることをそのまま信じるなら、型式:ZVW30の新型プリウスは車両を損傷する確率または損害額が他の車に比べて15%低いから、15%の割引を適用するという理屈です。
しかし、この理屈にはちょっとおかしな点があります。プリウス自動車保険には型式別料率クラスがあるはずで、車両保険なら車両料率クラスにより料率水準が決まります。15%割引はいったい何を基準とした割引なのでしょうか?ちなみに、型式:ZVW30の車両料率クラスは4です。素直に考えるなら、車両料率クラスが4の場合の車両保険料に対して、15%割引ということではないかと思います。とすると、『型式別』料率クラスはいったい何?という話になります。
仮にここに目をつぶるとします。型式別料率クラスは毎年見直しをすることになっています。その際には、実際の型式別の損害率によってクラスが変わります。その見直しが実施されるときには、理屈上もう型式:ZVW30に対して 15%割引をすることは許されないはずです。つまり、この15%割引はほんの一時的なものということになると思います。
 
それとおかしな話なのは、型式:ZVW30だけに対して15%割引を行うということです。
リリース資料では新型プリウスで衝突実験をしたと書いていますが、その衝突実験ではプリウス以外も含めて全ての型式の衝突実験を行った上で、型式:ZVW30だけに対して15%割引の割引が妥当であると結論付けたのでしょうか?
それは到底信じがたい話です。
 
これに関しては、あいおい損保の大株主であるトヨタの圧力と見るのが、世間一般の見方だろうと思います。
ホンダのインサイトに押されて、プリウスが不利になってきたので、トヨタプリウスの値下げをして、更に新型プリウスに対してのみ保険料割引をする自動車保険あいおい損保に売らせようとしていると考えられます。
つまり、新型プリウス自動車保険の抱き合わせ販売ではなかろうかということです。実際、このような割引は許容されるのでしょうか?私の感覚ではNGのような気がします。
 
そう言えば、レクサスの時にも似たようなことがあったような気がします。あの時は高い保険を売ろうというものでしたが。