三井生命、保障表示誤りと後始末

三井生命保険株式会社の昔(1995〜1996年)の保険設計書において、ある特約の一部の保障内容に表示誤りがあり、その誤りの内容と対処についてニュースリリースがされています。
「保険設計書記載内容の誤りと差額のお支払いについて」
http://www.mitsui-seimei.co.jp/corporate/news/pdf/20090623.pdf
三井生命保険株式会社 三井生命ニュース 2009.6.23)
定期保険特約付終身保険の「疾病入院特約」,「女性疾病入院特約」について、1995年4月2日〜1996年4月1日において↓の誤りがあったとのことです。

特約保障例を表示した箇所において、子宮筋腫で手術を受けた場合の手術給付金額は、約款において定める「手術1回につき入院給付日額の一律20倍相当額」が正しいところを、左記の保険設計書では、「手術1回につき最高で入院給付日額の一律40倍相当額」をお支払いするように、誤って記載しておりました。

リリース資料を読む限りでは、表示誤りがあったのは保険設計書だけのようです。つまり、約款には正しい保障内容が記載されていたようです。
 
この場合、三井生命が取り得る選択肢は3つあったと思います。

  1. 表示誤りに関してはお詫びするが、あくまで約款どおり(20倍)の適用とする。
  2. 子宮筋腫の手術が40倍と認識して契約した人に対してだけ40倍を適用する。
  3. 表示誤りの設計書で募集した全員に対して40倍を適用する。

一昔前なら、間違いなく1番目を選択したでしょう。ここ数年では、2番目の対応が多いような気がします。そう言えば、損保においても積立介護費用保険の満返分割の予定利率誤りの時に、申し出た人だけ多く払うという対応をした会社があったように記憶しています。
しかし、三井生命は3番目の対応を選択しました。おそらく、背景には、契約締結時に約款を見せていないだろうこと、設計書をメインにして保障の説明をしているだろうことがあると思われます。それを差し引いても、この対応は評価できることだと思います。
リリース資料の表現は↓となっており、イマイチ分かりにくいのですが、結論は一律40倍です。

なお、おそらく、経理的には約款の範囲の20倍を保険金として処理して、そこから先の部分は雑損として処理するのではないかと思います。