損保ジャパンがセゾン自動車火災の子会社化推進

株式会社損害保険ジャパンセゾン自動車火災保険株式会社の株主ですが、その保有割合を 46.5% から 63.8% に高め、連結対象子会社にしたというニュースリリースがされていました。
「(株)損害保険ジャパンによる当社株式の追加取得について」
http://www.ins-saison.co.jp/news_topics/detail.html?id=86
セゾン自動車火災保険株式会社 News&Topics 2009.7.3)
「損保ジャパンによるセゾン自動車火災の株式取得」
http://www.sompo-japan.co.jp/news/download/20090703_1.pdf
(株式会社損害保険ジャパン ニュースリリース 2009.7.3)
 
連結対象子会社にすることの目的と今後の動きが気になります。
目的の1つには、単純に損保ジャパングループとしての規模拡大が挙げられると思います。業界全体から見れば大勢に影響はありませんが、何もしないよりはマシでしょう。

2.今後の展開
セゾン自動車火災は、クレディセゾンとの連携により2,750万人のセゾンカード会員を中心に各種損害保険を販売しており、また直販、代理店販売、通信販売など様々な販売チャネルを有しています。損保ジャパンは、セゾン自動車火災のこの特長を活かしつつ、商品開発、保険引受、保険金支払の各業務に関するノウハウ提供を通じて同社の基盤強化・事業拡大を図るとともに、子会社化することにより、損保ジャパングループの収益拡大を目指します。

 
それと、やはり気になるのは日本興亜損害保険株式会社との関係です。統合するとはいえ、合併ではないのですから、両社は競争関係にあると言えます。そして、両社とも社内において協調よりも勢力争いで相手を排除したがる社風(取締役の出身損保を見れば一目瞭然です)のようなので、少しでもその競争で優位に立とうとするでしょう。
日本興亜損保にはそんぽ24損害保険株式会社というダイレクトチャネルを扱う損保子会社があります。損保ジャパンもこの分野で同等のものを持たなければ、ダイレクトチャネルにおける発言権が弱くなってしまいます。幸い、セゾン自動車火災は2008年3月からインターネットでの自動車保険の販売を開始しましたし、そんぽ24では行っていない携帯電話での自動車保険も2009年5月から実施しています。
つまり、来るべき統合に備えて、ダイレクトチャネルの分野でも自社の発言権を確保するためという目的もあるのではないかと勝手に思っています。