業界横並びと各社マターの境目(車による付加率割引)
備忘のために、2009年7月1日時点で、各社リテール向け自動車保険を特定の項目について記しておくことにします。
先ほどは「業界横並びと各社マターの境目(自動車保険の安全装置割引)」で自動車による純率の割引について書きましたが、今度は付加率の割引です。
具体的には、低公害車割引と福祉車両割引です。これらの割引は、けして損害率が低いために保険料が割引となっているのではありません。言うなれば、保険会社の施策で割引にしているにすぎないものです。
低公害車割引は、やはり割引の適用漏れが発生しがちのため、「保険料取り過ぎ問題」対策として割引を廃止するのが最近のトレンドです。
冒頭に書いたとおり、2009年7月1日始期における各損保の自動車保険の低公害車割引と福祉車両割引をパンフレット、ニュースリリースや保険料見積もり画面などから調べてみました。
調べた対象は以下のとおりです。
- 東京海上日動火災保険株式会社のトータルアシスト(総合自動車保険)
- 株式会社損害保険ジャパンのONE-Step(個人用自動車総合保険)
- あいおい損害保険株式会社のトップラン(個人総合自動車保険)
- 日本興亜損害保険株式会社のカーBOX(くるまの総合保険)
- ソニー損害保険株式会社の総合自動車保険 Type S
- 三井ダイレクト損害保険株式会社の総合自動車保険ダイレクトⅢ
- そんぽ24損害保険株式会社の通信販売用総合自動車保険
- SBI損害保険株式会社の個人総合自動車保険
- イーデザイン損害保険株式会社の自動車保険
- チューリッヒ保険会社のスーパ自動車保険
- アクサ損害保険株式会社のアクサダイレクト総合自動車保険
- アメリカンホーム保険会社のファミリー自動車総合保険
結果は下表のとおりになりました。
もともとは社会的な要請もあってできた割引のようですが、損害率や事業費と無関係のところで割引を適用するのは、保険商品として誤っているのではないかというのが私の考えです。
社会的要請でというのであれば、国や地方が税金で漏れなく対処するのが本来の姿でしょう。
エコカーは最近買換え促進の優遇措置がありますが、福祉車両についても以前は自動車保険料が損害保険料控除の対象となっており、税金面の優遇措置がありました。
個人的には、どちらかと言えば、買換え促進にお金をつぎ込むよりも、福祉車両の損害保険料控除を廃止しないことの方がマシな政策だったように思えます。