火災保険の盗難の勘違い

朝日新聞のコラムに思わず失笑してしまうことが書いてありました。
「火災保険も、ネットなら安い」
http://www.asahi.com/business/topics/ogiwara/TKY200912090322.html
Asahi.com 荻原博子のがんばれ!家計 2009.12.9)

そもそも、このパッケージで入るというのに問題があって、実は必要ない補償にお金を払っているケースもけっこう多いのです。
たとえば、マンションに住んでいれば、屋根の瓦が飛ばされるなどということはないので、風災の補償は必要ない。また、マンションの上のほうに住んでいれば、川があふれて床上浸水するなどということも起きないでしょう。建物の盗難補償というのもありますが、マンションが盗まれるなんてことはないでしょう。だとすれば、こうした補償がパッケージに入っているのは、無駄というものです。

この書きぶりからすると、建物を保険の目的とした場合の「盗難」とは、建物そのものの盗難だと思いこんでいるようです。そして、一戸建てなら、家そのものを盗まれることがあるように読めます。
 
勿論、「盗難」の補償とは、そんな馬鹿な内容ではありません。損保を扱っている人なら誰でも知っていることかと思いますが、建物を保険の目的とした場合の「盗難」とは、盗難によってその建物に生じた盗取,棄損,汚損が補償の対象となります。
このことは、各社横並びだった住宅総合保険の頃から変わっていません。仮に知らなくても、ちょっと調べれば「盗難」とはどのような場合に保険金を支払うのかはすぐに知ることができます。
 
どうも、このコラムを書いている荻原博子氏は火災保険のことをまったく知らないし、調べてから書くという習慣もないようです。
騙されてしまう人が出ないかどうか心配になります。また、マスコミはこのような嘘を公表することがないように気を付けるべきだと思うのは私だけでしょうか?個人がプライベートで書くブログなどとはまったく違うのですから。
ありえないと思いますが、もしも損保の代理店がこのような説明をしたら、当然にそのペナルティを何らかの形で受けることになるでしょう。