募集コンプライアンスガイド改訂

保険法の2010年4月施行に向けて着々と準備が進む中、日本損害保険協会のサイトにある「募集コンプライアンスガイド」も改訂された旨の案内がされました。
ちなみに、「損保協会の保険法の案内」(2009.8.22)で取り上げた損保協会の保険法案内ページは、多くの損保の保険法対応案内のページからリンクが張られています。保険法対応は業界共通の対応ですから、個社で全部用意するよりも共通のものを利用した方が理に適っています。
この募集コンプライアンスガイドもそういう性質を持つものですから、多くの損保においてそのまま当てはまることになろうかと思います。
「「募集コンプライアンスガイド」の改訂」
http://www.sonpo.or.jp/news/information/2009/0912_02.html
日本損害保険協会 協会からのお知らせ 2009.12.7)

当協会では、消費者から寄せられた声を踏まえて、保険募集の品質向上を図るとともに、2010年4月からスタートする新しい保険法に対応するため、「募集コンプライアンスガイド」(※)を改訂いたしました。

 
この案内は12月7日に行われていますが、改訂版の表紙を見ると 2009年11月11日 となっていました。
改訂版を手に入れたので、改訂された部分で気になった箇所を追いかけてみました。それにしてもボリュームが増えています。従来版(2007年3月15日)よりも約20ページも増量しています。
項立てそのものも変更されています。
従来は『⑤告知の受領・契約意志確認について』だったところが、『⑤契約の引受について』とタイトルが変わり、保険法で改定となった告知事項や通知事項を盛り込んだ内容になっています。
従来の『⑦満期管理・満期案内について』は、異動・解約と事故発生時の対応に関する内容を追加して『⑧顧客管理について』になっています。
また、『⑥本人確認について』『⑨団体契約等の適正運営について』『⑪反社会的勢力に対する代理店の業務運営ルールについて』が新設されています。このあたりは保険法改定とはほとんど関係ない内容です。
 
『⑤契約の引受について』ついては、「5-1 契約内容の確認 (3)留意点」に「第三分野の保険の場合」が新規に追加されています。
また、「5-2 告知の受領」には、保険法対応に合わせて告知事項の確認について盛り込まれています。ただ、(2) 解説 に書かれている「…「告知」を取り付けることが代理店の重要な役割となります。」はやや正確性に欠けます。媒介代理の場合は告知受領権がないので、締結代理店の場合の話です。損保においてほとんどの代理店は後者ですが、媒介代理店も僅かながら存在するので正しくないです。
「5-3 契約意志確認」にも、保険法対応に合わせた改訂として、傷害保険の被保険者確認が盛り込まれています。それと、自動車保険における運転免許証の色の確認や契約者が高齢者の場合の確認について補記されています。
 
『⑥本人確認について』はマネーロンダリング防止のために追加された項目のようです。既にルール化されていたのが、今回を機にこのガイドに追加されただけのことだと思います。
 
『⑧顧客管理について』は↑に書いたとおり、「8-1 異動・解約」が追加され、異動に関しては保険法対応に沿った通知事項の内容が盛り込まれています。また、「8-3 保険事故発生時の対応」も追加され、こちらも保険法対応の内容…と言っても契約者への説明がメインですが…が盛り込まれています。
 
『⑨団体契約等の適正運営について』と『⑪反社会的勢力に対する代理店の業務運営ルールについて』は特に保険法とは関係ありません。もともとあったルールが今回を機にこのガイドに追加されただけのことだと思います。