日本興亜損保の株主総会開催差止の仮処分申立(其の弐)

12日(土)に書いた「日本興亜損保の株主総会開催差止の仮処分申立」の件について、株式会社損害保険ジャパン日本興亜損害保険株式会社の動きがありました。
この件については、ブログに対してコメントを頂き、その結果、落とし所は以下の内容が妥当ではなかろうかと思っていました。

  • 臨時株主総会は予定通りの日程で開催
  • 不備の修正をして株主に通知する
  • 既に投票済みの株主には再投票を認める

まだ最終結論ではないものの、現時点においてはこの予想は中途半端に当たったと言えそうです。
なお、コメントで頂いたとおり、損保ジャパンが先に不備の修正を行いました。両社が本日公開した内容は以下のとおりです。
 
まずは、損保ジャパンです。
「「臨時株主総会招集ご通知」株主総会参考書類の一部追加について」
http://www.sompo-japan.co.jp/announce/download/20091215.pdf
(株式会社損害保険ジャパン 大切なお知らせ 2009.12.15)

さて、当社は平成21年12月1日に発送しました「臨時株主総会招集ご通知」により、臨時株主総会の開催をご案内申しあげましたが、株主の皆さまへのより充実した情報開示を考慮し、株主総会参考書類の記載を一部追加することとし、下記のとおりご通知申しあげます。なお、臨時株主総会は、ご案内のとおり平成21年12月22日(火曜日)午前10時から開催いたします。
   (略)
1.「臨時株主総会招集ご通知」株主総会参考書類の一部追加
「第1号議案 当社と日本興亜損害保険株式会社との共同株式移転計画承認の件」の「6.当社において最終事業年度の末日後に生じた会社財産の状況に重要な影響を与える事象の内容」(「臨時株主総会招集ご通知」17ページ)に、充実した情報開示の観点から別紙「新旧対照表」のとおり参考情報を追加いたします。
2.臨時株主総会における議決権行使について
株主の皆さまにお送りした議決権行使書用紙につきましては、付議議案に変更はないため、その内容に変更はありませんので、そのままお使いください。
なお、すでに議決権を行使された株主さまで議決権の行使内容を変更されたい方は、以下のいずれかの方法により、改めて議決権を行使してくださいますようお願い申しあげます。
   (略)

ここで追加された記載事項は、勿論、松澤氏らが仮処分命令申立書にて指摘した1,280億円の劣後債の件です。
体面を保つためか、あくまで「該当事項はありません。」としつつ、参考情報での記載という体裁としています。しかし、記載するのが妥当あるいはこの場を収めるためには無難と判断したのでしょう。
損保ジャパン側については、↑の予想は見事に当たっています。
 
次に、日本興亜損保です。
「臨時株主総会および定款の一部変更に関する日程の変更について」
http://www.nipponkoa.co.jp/news/whatsnew/2009/news2009_12_15_rinjisoukai-nitteihenkou.pdf
日本興亜損害保険株式会社 ニュースリリース 2009.12.15)

当社は、平成21年12月1日付で株主の皆様にお送りいたしました「臨時株主総会招集ご通知」により、臨時株主総会の開催をご案内しておりましたが、株主の皆様へのより充実した情報開示を考慮して、株主総会参考書類等の記載事項の一部を変更することといたしました。
これにより、本日開催の取締役会におきまして、平成21年12月22日に開催を予定しておりました臨時株主総会の開催日を変更することを決議いたしました。これに伴い、平成21年11月19日付で開示いたしました「臨時株主総会の招集および定款の一部変更に関するお知らせ」を下記のとおり変更いたしましたので、お知らせいたします。なお、臨時株主総会の付議議案の変更はありません。

ちょっと意外なことに、臨時株主総会の日程を8日間後ろにずらしました。実質、今年最後の日にしたと言えます。
一方で、現時点においては、また損保ジャパンの行った記載の追加は反映していないようですし、それに伴う既に行使した議決権の再行使の案内もされていません。ただ、それはわざと損保ジャパンとタイムラグを設けただけで、そうそうに行われると思います。
日本興亜損保側については、↑の予想は完全に外れています。(今のところ)
 
さて、これで裁判所がどう判断するのか?松澤氏らがこの件について更なる手を打つのか?が見物です。
なお、松澤氏らは、今度は株式移転比率の件でひっくり返そうとしているようです。