イーデザイン損保 自動車保険1万件達成

イーデザイン損害保険株式会社自動車保険の契約件数が1万件に達したとニュースリリースを出しています。
仮に保険料単価の平均が5万円としたら、1万件ということは開業来の約半年で5億円の収入保険料だったということになります。(多分、ダイレクト系損保の保険料単価の平均は5万円より低いと思いますが、イーデザイン損保は保険料が高いところでの競争力が強いので、高めに想定しています。)
自動車保険の契約件数が1万件突破」
http://www.edsp.co.jp/company/company_010/2009/2009_12_29.pdf
イーデザイン損害保険株式会社 ニュースリリース 2009.12.29)

当社は6月13日に営業を開始し、モバイル・インターネットにて自動車保険の直販を展開しております。おかげさまでお客さまから着実に支持をいただき、12月28日に契約件数が1万件を突破しました。

契約件数1万件というのは、一見大したことなさそうに思えますが、開業して1年未満であるためにここには継続契約が1件もないことがポイントです。つまり、新規か満期時の他社切替のいずれかというのが、ほとんどのはずです。
つまり、純新規と他社契約の流入で右肩上がりの成長をしているということです。
これはイーデザイン損保に限らず、ダイレクト系損保で契約件数を伸ばしているところは、ほぼ似たような状況だと思います。
 
リリース文書では以下の内容が支持拡大として考えられる要因と記載しています。

当社はこれまで、動画を活用したお見積もりや契約内容のご案内、携帯電話で契約内容がわかるケータイ版「わかる証券」、更に自然災害が発生した地域にお住まいのお客さまに対して保険金請求手続きや医療相談サービス内容を案内するメールを送付するなど、〜

私は継続契約だったらこれらのことはプラス要因だと思いますが、初めてイーデザイン損保で契約する人にとって、これらの要因はあまり関係ないと思っています。というのも、これらのサービスのほとんどは契約してからではないと分からないことばかりですし、契約前の人を対象に周知する取組をほとんど行っていないからです。実際にイーデザイン損保の広告でこれらを謳ったものを見たことがありません。
 
以前にも書いたような気がしますが、イーデザイン損保自動車保険の引受はダイレクト系損保の中でも特徴的な面があります。
まず第一に契約者の年齢が18歳以上ならOKとしている点です。大抵のダイレクト系損保は20歳以上としています。
また、前契約が長期契約の場合も引受可能です。ネットで普通に契約できてしまうのがポイントです。
前年等級についての規制は一切ないようで、事故なしなら前年契約の等級が1等級でも引受しているようです。
事故件数の引受基準も極めて緩やかで、カウント事故が2件でも前年等級が1等級でなければOKです。
前年等級と事故件数については、ダイレクト系損保だけでなく代理店系損保でも普通なら引き受けたくないレベルに対して、ネットで普通にスルーで進めてしまうことから、この条件の契約がイーデザイン損保に流れる可能性は高いです。
このあたりの引受条件も契約の伸びに影響を与えているのではないかと思います。無論、そのリスクが収支に影響する可能性も低くないのですが、そこも考慮の上での判断なのでしょう。
あとは、東京海上ホールディングス株式会社のネームバリューと最近露出を増やしている広告も契約の伸びのプラス要因として考えられます。
 
そして、もう1つ伸びの要因として考えられるのは、モバイル…携帯電話での契約引受です。
12月22日に「モバイルでの自動車保険引受」で書いたとおり、チューリッヒ保険会社がモバイルでの保険料10億円突破をニュースリリースで出していました。
イーデザイン損保は、NTTファイナンス株式会社が出資していることも関係あるのか、モバイルに相当の力を入れているようです。
モバイルで契約した人は、PCに戻らずに次もモバイルで契約する可能性が高いとすると、モバイルで契約できる保険会社の選択肢は少ないです。そこに入口を設けていれば、必然的に流入の機会が増えます。
モバイルは今後競争が激化するでしょうが、先行メリットを活かし、継続落ちしないようにすれば今行っている施策は今後にも活きてくるものと思います。