アクサダイレクトの自動車保険改定(2010年4月)

アクサ損害保険株式会社が2010年4月1日始期契約から自動車保険を改定する旨のニュースリリースを出しました。
「【自動車保険・バイク保険】保険法改正に関するお知らせ 」
http://www.axa-direct.co.jp/company/official_info/announce/2010/100119_1.html
アクサ損害保険株式会社 アクサダイレクトからのお知らせ 2010.1.19)
タイトルは保険法とありますが、中身を見ると保険法対応だけではなく、商品改定もいくつかあります。
商品改定の部分について、ざっくりと見ていくことにします。

車両入替規定の改定
車両入替を行うにあたっては、従来は新たにお車を取得された場合に限定されていましたが、これを変更し、被保険自動車を廃車・譲渡または返還された場合についても、車両入替を可能とします。

「業界横並びと各社マターの境目(自動車保険の車両入替)」(2009.7.26)で車両入替の条件について各社の状況を書きました。この時はアクサダイレクトは標準約款どおりの規定だったのですが、今回の改定で国内社と同じ基準に変更したということです。
 

車両所有者の要件の削除
以下の特約の適用条件から、車両所有者の条件を削除します。
(1)原動機付自転車に関する「賠償損害」補償特約
(2)他車運転危険補償特約

所謂ファミリーバイク特約と他車運転危険補償特約、その適用条件として「被保険自動車の所有者が個人であること」とあったのを撤廃したということです。実態として車両所有者が法人の契約をアクサダイレクトが引き受けているとは思えませんが、確かに不要な規定だと思います。
 

弁護士費用等補償特約
保険料は同水準のまま、従来の自動車事故だけでなく、偶然な事故により被害を被られた場合でも補償の対象となります。
また、相手との交渉や訴訟で必要となる弁護士費用(「損害賠償請求時の弁護士費用保険金」)のほか、弁護士へ法律相談を行った場合の法律相談費用(「法律相談費用保険金」)を補償します。

これだけは↓でも別途お知らせしています。
「【自動車保険・バイク保険】弁護士費用に関する特約の補償範囲を拡大しました! 」
http://www.axa-direct.co.jp/company/official_info/publicity/publicity05.html
アクサ損害保険株式会社 最新情報)
保険料を変えずに補償範囲を拡大したと書かれていますが、どうも腑に落ちません。常識的に考えれば、補償を拡大すれば純保険料は上がるはずです。実際の損害率が予定損害率よりも余程低かったのか、12.5%の調整を使ったのか、付加保険料で辻褄を合わせたのか…いずれかだと思います。
約款を実際に見ると、保険金支払い要件が『相手自動車の所有、使用または管理に起因して、被保険者が次の各号のいずれかに該当する法律上の損害賠償請求権を有する場合』から、『被保険者が偶然な事故により被害を被ることによって』に変わっています。自動車と無関係な被害事故にまで広げるのは、保険金請求漏れを増やしそうで、個人的には疑問を感じます。この特約の付帯条件が「日常生活賠償責任保険特約」を付帯している場合とするなら理解できますが、そういうことでもなさそうです。
それと↑に書かれているとおり、法律相談費用(10万円限度)が今回の改定で追加となっています。
弁護士費用等補償特約は、特約名が同じでもその内容が保険会社によってまちまちです。いずれ時間があるときにでもその違いを調べておこうと思います。