保険商品の提供在り方WG第2回資料より(2)

保険商品の提供在り方WG第2回資料より(1)」(2012.6.30)の続きです。
今回は、ボストン・コンサルティング・グループ シニアパートナーの加藤委員説明資料を見てみました。
 
これもまた議事録がないので感触での話になりますが、加藤委員の資料は以下のことをバックボーンとして論理展開されているように感じられます。冒頭に書かれているとおり生保寄りの内容ですが、第三分野に関しては損保も共通する内容です。

①「家族のための保険」から、「自分のための保険」へ−死亡保障+特約だけでなく、医療・介護・所得補償・年金等の単品
②「情報の受け手」から、「情報を選択」する消費者へ−「情報を抑える」より、「公正な情報発信促進」が今後の力点では?
③「公助」中心から、「私助と公助が共働・連携」する社会へ−医療・介護等の分野では、公私連携・対話が市場育成の鍵

②に関しては、保険業界に言うよりも電力業界や政府に言うべきかと思いましたが、それは置いておくとして…。個人的には②が一番しっくりくる内容でした。
それを示しているのが下の図です。

 
もしも標本を適正に取れているのなら、この図は既存の昔からある国内生保はこのままではジリ貧であることを示し、一方、損保系生保・外資系生保・ネット生保は伸びるだろうと思わせます。
実際、デジタルネイティブと言われる世代がどんどん大人になり、保険の購入者として主流を占めてくるようになるにつれて、ネットで情報をあらかじめ得た上で複数の選択肢から保険を選ぶのが一般的になってくるのではないでしょうか。そうだとすれば、一社専属の生保レディは、他社との公正な比較情報の提供もできず、販売できる商品も極めて限定されることから、その規模は縮小するのが道理です。
また、消費者が主体的に選択するということは、分からないモノは買わない!という動きになってくると思われます。そういう意味ではシンプルな商品が好まれる可能性があります。
情報発信に関しては、知られると不都合だから出さないものと理解してもらうのが難しいから出さないもの、あるいはその両方があると思っています。これは生保に限らず、損保も同様です。特に、生保に関しては保険数理の基礎的な知識がなければ、保険料の基本的な事すら理解するのが難しいという事情もあるかと思います。損保も第三分野の保険や積立保険は同様です。
しかし、難しいことを分かりやすく伝えることができるのが真のプロフェッショナルだとすれば、その資格にある者がそろそろきちんと公開して説明してくれてもいいのではないかと思いますが、どうなのでしょう?