高齢者募集に関する規制

金融庁のサイトにて2013年12月10日に「保険会社向けの総合的な監督指針」の改正案が公表されました。その内容のほとんどが統合的リスク管理態勢に関するものなのですが、高齢者に対する保険募集の規制強化もありました。
「「保険会社向けの総合的な監督指針」及び「保険検査マニュアル」等の一部改正(案)の公表について」
http://www.fsa.go.jp/news/25/hoken/20131210-2.html
金融庁 報道発表資料 2013.12.10)

Ⅱ−4−5−1 顧客に対する説明責任、適合性原則
Ⅱ−4−5−1−1 顧客保護を図るための留意点
保険会社は保険募集にあたって顧客保護を図るため、以下の項目に留意する必要がある。
(1)〜(3)(略)
(4) 高齢者に対する保険募集は、適切かつ十分な説明を行うことが重要であることにかんがみ、社内規則等に高齢者の定義を規定するとともに、高齢者や商品の特性等を勘案したうえで、きめ細やかな取組みやトラブルの未然防止・早期発見に資する取組みを含めた保険募集方法を具体的に定め、実行しているか。
その際の取組みとしては、例えば、以下のような方策を行うなどの適切な取組みがなされているか。
① 保険募集時に親族等の同席を求める方法。
② 保険募集時に複数の保険募集人による保険募集を行う方法。
③ 保険契約の申込みの検討に必要な時間的余裕を確保するため、複数回の保険募集機会を設ける方法。
④ 保険募集を行った者以外の者が保険契約申込の受付後に高齢者へ電話等を行うことにより、高齢者の意向に沿った商品内容等であることを確認する方法。
また、高齢者や商品の特性等を勘案したうえで保険募集内容の記録(録音・報告書への記録等)・保存や契約締結後に契約内容
に係るフォローアップを行うといった適切な取組みがなされているか。
これらの高齢者に対する保険募集に係る取組みについて、取組みの適切性等の検証等を行っているか。

 
そして、パブリックコメントの結果が公表されており、ちょっと気になったので取り上げておきます。
「「保険会社向けの総合的な監督指針」及び「保険検査マニュアル」等の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等について」
http://www.fsa.go.jp/news/25/hoken/20140228-2.html
金融庁 報道発表資料 2014.2.28)

これはどう対応するのか迷う保険会社が出てきそうな気がします。
それにしても規制自体に唐突感がありますが、これは高齢者をターゲットに保険募集をするような募集人がいたということでしょうか。それは凄くありそうで、嫌な感じです。
一方で、高齢者に対する規制を厳しくすることは健常な判断力のある高齢者が保険加入をする妨げにもなりそうで、それはそれで苦情が寄せられそうな気がします。