イーデザイン損保の保険募集とチェリーピッキング

ダイレクト系損保は、一般に募集にあたってチェリーピッキング(事故率の低い優良なドライバーを集めること)を行っています。
と言うのも、代理店系損保よりも付加保険料を削っている分、損害率を良くしなければ利益が出にくいこと、対面募集ではないためきめ細かいアンダーライティングができないので、より安全な層のみを対象にする必要があること等といった固有の要因があるためです。
具体的には、ノンフリート等級の低い契約,事故の多い契約,損害率の高い車種などについて、引受制限をすることによって実施しています。
 
というのが、ダイレクト系損保に対する一般論だったのですが、イーデザイン損害保険株式会社はどうもこれを逆手に取った募集を考えているように見受けられます。
既に「イーデザイン損保 保険料見積もり」の「車種による引受制限の有無」で書いたとおり、イーデザイン損保は現時点において車両による引受制限を行っていないようです。実は、あそこに挙げた車種はいずれも車両料率クラス9で、車両保険の損害率が高い車種です。
そして、イーデザイン損保では、もう2点…ノンフリート等級が1等級でも引受可能,前年のカウント事故が2件でも引受可能 となっています。これらはいずれも他のダイレクト系損保なら引受謝絶となる内容です。
なお、ここで私は意図的に「事故」ではなく「カウント事故」という言葉を使っています。つまり、トータルで6等級ダウンであっても、イーデザイン損保では契約可能なのです。
 
言うまでもなく、イーデザイン損保は後発ですから普通にやっていてはいつまでたっても先行社に追い付けないので、何か工夫をしなければなりません。同じ後発組のSBI損害保険株式会社のように保険料で激戦区で勝負するのではなく、他のダイレクト系損保が取らない契約を集めるという戦術をとることにしたようです。これも工夫の1つとして挙げられると思います。