フロントガラスのみ補償の車両保険?

ブロードマインド少額短期保険株式会社が自動車のフロントガラスのみを補償対象とする保険を8月24日から販売する旨のプレスリリースを出しています。
ブロードマインド少額短期保険は業界初の「フロントガラス破損補償保険」の販売を開始します。」
http://www.value-press.com/pressrelease.php?article_id=43784
(ValuePress! 2009.8.17)

「フロントガラス破損補償保険」は、日本自動車ガラス販売施工事業協同組合(東京都中央区日本橋浜町2−38−9 理事長:蝦名 久志)との共同検討により商品化したもので、飛び石などにより破損することも多いフロントガラスに対象を絞った業界初の保険となります。補償の対象をフロントガラスに絞ったことで、通常の車両保険と比べて割安な保険料を実現しました。

言うまでもなく、自動車保険の車両保険は飛び石によるフロントガラス破損も補償対象です。
もし、車両保険をかけていて、このフロントガラス破損補償保険も契約する人がいたとして、その場合にフロントガラス破損の保険事故があった時、どうするのでしょう?
ちなみに、飛び石による窓ガラス破損は参考純率の基準ではカウント事故(cf.「業界横並びと各社マターの境目(自動車保険の事故カウント)」(2008.11.24))ですが、ほとんどの代理店系損保やSBI損保イーデザイン損保などの大手損保ベースの商品のダイレクト系損保では等級すえおき事故となります。
これらの損保で車両保険を付帯している場合は、フロントガラス破損補償保険の意味はほとんどないのではないかと思います。
そして、それ以外のダイレクト系損保の場合は、ノンフリート等級次第ですが、そもそも車両保険の保険料自体がそれほど高くありません。
 
以上のことを踏まえると、フロントガラス破損補償保険を契約する意味のある人というのは、ノンフリート等級が低い人か車両保険はつけないけどフロントガラスだけの補償は欲しい人ということになろうかと思われます。
ちょっとこれは、損害率が高そうな気がしますし、後者に至ってはモラルリスクの懸念もあります。
リリース資料によると、保険金額と保険料は↓のとおりです。

【保険金額】 フロントガラス保険金額: 50,000円〜110,000円
ガラス工賃費用保険金額: 20,000円〜 35,000円
【年払保険料】 軽自動車 :3,600円〜3,830円
普通自動車:4,500円〜5,140円
貨物自動車:7,230円〜7,940円  ※車種により保険料が異なります。

私の感覚では保険料が高いと思いますし、多くても15万円の保険金しか下りない補償のためにこの保険に入ることは私ならしません。
どういう意図で作られて、どこで売るつもりなのか分からないです。寧ろ、この保険が収支が安定して黒字になるほど売れたら驚きです。