エジソン生命の在宅型コールセンターシステム

AIGエジソン生命保険株式会社が、コールセンターのオペレータが在宅で仕事をできる環境を作ったというニュースリリースがされていました。
保険業界初の「在宅型コールセンターシステム」構築 」
http://www.aigedison.co.jp/company/news/2009/n_172.pdf
AIGエジソン生命保険株式会社 新着情報 2009.8.17)
これには驚きました。
通常、スーパーバイザー(SV)が複数のオペレータの管理・監督をするようになっているので、オペレータが在宅で仕事をするというのは考えられません。
また、難しい話になった時にすぐにフォローを求めるにも、SVがオペレータのすぐそばにいた方がお互いに都合が良いはずです。
そのため、コールセンターは効率を追及するために、一極集中させ、場合によってはコールセンター専用の建物まで用意して、大所帯で運営されるのが一般的です。
少なくとも、私はそういうイメージでいました。
それを覆すことができた点で、この仕組みは凄いものです。
 
それを可能としたツールの1つに、自動音声認識システムがあると思います。
この話は、4月29日の「音声テキスト変換」で取り上げたものです。
自動音声認識システムがあれば、SVは複数のオペレータのやりとりを同時に知ることができるので、早いタイミングでフォローに入れるし、すぐそばにいる必要もありません。
なんとなくですが、本命は在宅型コールセンターで、その事前準備として自動音声認識システムの導入がされたような気がします。
 
リリース資料には、在宅型コールセンターシステムのメリットとして以下の点を挙げています。

2)災害やインフルエンザ発生時における事業継続のための有効手段として
3)仕事と家庭を両立させる次世代のワークスタイルとして

この他にも、在宅なら早朝とか深夜とかの人の手配も比較的容易でしょうから、コールセンターの稼働時間を長くすることもできるかもしれません。ただし、それはSVにとっては嬉しくないことかもしれませんけど。
 
リリース資料のとおりなら、セキュリティもまぁまぁだと言えそうです。
その分、機材や回線は会社が全部負担することになるでしょうから、コストはそこそこかかりそうです。
実際に在宅勤務できるのは一部のオペレータでしょうが、それでもこの仕組みは大したものだと言えると思います。
実のところ、保険会社側にとって最大の意義は、スキルのあるオペレータを確保する仕組みを用意したという点にあるのではないでしょうか。