保険法改定による自動車保険の約款変更(其の六)

保険法改定による自動車保険の普通保険約款の変更内容を、ソニー損害保険株式会社の総合自動車保険 Type S で見てきました。
今回は、普通保険約款 第3章 無保険車傷害条項についてです。変更内容はほとんどないので、特に気になった点だけを取り上げることにします。
なお、普通保険約款 第1章 賠償責任条項は「保険法改定による自動車保険の約款変更(其の四)」(2009.12.27)で、普通保険約款 第2章 自損事故条項は「保険法改定による自動車保険の約款変更(其の五)」(2009.12.27)で、普通保険約款 第7章 基本条項は「保険法改定による自動車保険の約款変更(其の壱)」(2009.12.1),「保険法改定による自動車保険の約款変更(其の弐)」(2009.12.6),「保険法改定による自動車保険の約款変更(其の参)」(2009.12.26)で書いています。
 

第3条(保険金を支払わない場合−その1)

改定前約款の第7条(保険金を支払わない場合−その2)とほぼ同じですが、やはり自損事故条項と同様に、被保険者の重過失免責の追加と飲酒運転の定義が変更になっています。重過失免責の追加は、こちらは保険法第17条(保険者の免責)第1項が根拠になっているはずです。
 

第6条(被保険者の範囲)

第1項と第2項は、改定前約款の第2条(被保険者)と同じです。
第3項が以下とおりの内容で追加となっています。これはおそらく胎児が無保険車傷害保険の被保険者に含まれるかどうかで争われた裁判で、支払対象となると平成18年に最高裁で判決が出たことを踏まえて追加となったのではないかと思われます。

(1)の被保険者の胎内にある胎児が、無保険自動車の所有、使用または管理に起因して、その出生後に、生命が害されること、または身体が害されその直接の結果として別表1の1または別表1の2に掲げる後遺障害(注)もしくは身体の障害の程度に応じて同表の後遺障害に相当すると認められる後遺障害(注)が生じることによって損害を被った場合は、(1)の規定の適用において、既に生まれていたものとみなします。
(注)その者が症状を訴えている場合であっても、それを裏付けるに足りる医学的他覚所見のないものを含みません。

 

第11条(保険金請求権者の義務)

改定前約款の第12条(保険金請求権者の義務)とほぼ同じですが、第2項の義務違反時の規定が免責から削減払に変更されています。このあたりは、基本条項第21条(事故発生時の義務違反)と同じ考え方だと思います。