保険法改定による自動車保険の約款変更(其の九)

保険法改定による自動車保険の普通保険約款の変更内容を、ソニー損害保険株式会社の総合自動車保険 Type S で見てきました。
今回は、普通保険約款 第6章 車両条項についてです。変更内容は多くないので、特に気になった点だけを取り上げることにします。
なお、普通保険約款 第1章 賠償責任条項は「保険法改定による自動車保険の約款変更(其の四)」(2009.12.27)で、普通保険約款 第2章 自損事故条項は「保険法改定による自動車保険の約款変更(其の五)」(2009.12.27)で、普通保険約款 第3章 無保険車傷害条項は「保険法改定による自動車保険の約款変更(其の六)」(2009.12.27)で、普通保険約款 第4章 搭乗者傷害条項は「保険法改定による自動車保険の約款変更(其の七)」(2009.12.27)で、普通保険約款 第5章 人身傷害条項は「保険法改定による自動車保険の約款変更(其の八)」(2009.12.27)で、普通保険約款 第7章 基本条項は「保険法改定による自動車保険の約款変更(其の壱)」(2009.12.1),「保険法改定による自動車保険の約款変更(其の弐)」(2009.12.6),「保険法改定による自動車保険の約款変更(其の参)」(2009.12.26)で書いています。
 

第3条(保険金を支払わない場合−その1)

改定前約款の第2条(保険金を支払わない場合−その1)第1号について、重過失免責が追加になっています。背景は無保険車傷害条項と同じでしょう。
 

第4条(保険金を支払わない場合−その2)

⑨に以下のものが追加されています。

被保険自動車がタンク車、ふん尿車等である場合に、被保険自動車に付属するホースに生じた損害

これは車両保険自動付帯の「車両保険の適用範囲に関する特約」だったものが、普通保険約款 車両条項に含まれるようになったということのようです。
 

第5条(保険金を支払わない場合−その3)

例によって、飲酒運転が「酒酔い」から「酒気帯び」に変更されています。
 

第6条(被保険者の範囲)

これは、新設された条です。とは言え、内容は当たり前のものです。ただ、保険法では被保険者が多々出現するので、きちんと定義されていないと不都合が生じるため、定義することにしたのではないかと思います。

この車両条項における被保険者は、被保険自動車の所有者とします。

 

第12条(被害物についての当会社の権利)

保険会社が取得する権利が「被保険自動車について被保険者が有するすべての権利」から「被保険自動車について被保険者が有する所有権その他の物権」に改められました。多分、実務には影響はないと思います。
 
ソニー損保の総合自動車保険 Type S の車両保険は価額協定が含まれていません。実際には車両保険付帯の場合は「車両価額協定保険特約」を付帯するので、この特約も合わせて見ておく必要があります。
既に約款が価額協定込みの車両保険となっている場合は、その両方を合わせた内容が保険法対応による影響ということになります。