スミセイ損保の廃業

住友生命の損保子会社であるスミセイ損保が廃業するそうです。
保有している契約については、満期のタイミングで三井住友海上の同等の商品で継続するように手配して、おそらく2010年10月時点で残っているものはそのままの契約内容で三井住友海上へ移転するのでしょう。
私の感覚としては、この判断は正解だと思います。生保の営業部隊が損保商品を売るというのは、難しいことだと思います。商品に関する知識の問題だけでなく、職員に対する報酬の制度や金額の面からもおそらく意欲的にやる気にならなかった可能性があります。
 
三井住友海上火災保険株式会社との業務提携の強化について」
http://www.sumitomolife.co.jp/news/080930.pdf
住友生命保険相互会社 ニュースリリース 2008.9.30)
 
住友生命保険相互会社と三井住友海上火災保険株式会社の業務提携の強化について」
http://www.ms-ins.com/news/h20/news_0930_1.html
三井住友海上火災保険株式会社 ニュースリリース 2008.9.30)
 

住友生命は、平成8年度の損害保険事業への参入以来、子会社であるスミセイ損害保険株式会社(社長 佐竹 新一郎:以下「スミセイ損保」)とともに、生保・損保一体となった総合生活保障サービスの提供を本業と位置づけて事業展開してまいりました。今般、専業営業職員を基軸とした生保ならではの損保サービスを提供するという強みを活かしながら、更なる品質の追求と競争力の強化によって本業の持続的な拡大を実現していくために、三井住友海上との提携関係を強化して、同社の高品質の損保商品・サービスと損保事業におけるノウハウを全面的に活用していくことといたしました。

ここで言っている「専業営業職員」とは、住友生命の所謂生保のおばちゃんを指していると思われます。2,3年でどんどん交替していく生保のおばちゃんから、損保商品を買うというのはどうも私にはピンときません。損保商品は保険期間が基本的に1年だけど、大抵の人はその契約を継続します。生保のおばちゃんというと、売っておしまいほったらかしというイメージがあるのですが、現実がそのとおりなら損保商品が売れないのは当たり前です。
おそらく住友生命もそこに気づいて、このままじゃ先がないので損保から撤退しようというハラではないかと思います。ただ、スミセイ損保を止めるだけじゃカッコがつかないし、営業職員に取らせた損保募集人資格が勿体ないから、業務提携という体裁をとっているような印象を受けます。
ただ、住友生命の「専業営業職員」が今度は三井住友海上の商品を取り扱うと言っても、それほど売れることはないと思います。同じ三井住友海上の商品を契約するなら、私だったら住友生命の「専業営業職員」ではなく、普通の損保代理店を選びます。
 

上記(1)に伴い、スミセイ損保にご加入いただいている契約者に対し、平成21年10月以降順次、三井住友海上の商品への切り替えをご案内いたします。

満期契約の継続を他の会社でやるということはシステムを組んで本格的に接続してやるなら個人情報の提供になるので、契約者の同意が必要になるため、ちょっとハードルが高そうな気がするのですが、↑の内容でニュースリリースしているくらいなのでそこはクリアしているのでしょう。
契約がたくさんあるのなら、吸収合併してしまうのが手っ取り早いんじゃないかと思います。そうすれば、他社じゃなくなるので、契約データも接続し放題ですから。
その手を取らなかったということは、もしかして、あまり契約がなくてデータの接続は一切なしで、代理店…生保のおばちゃんがしこしことやるのかもしれません。
 
ちなみに、現時点でスミセイ損保のサイトには一切案内が出ていません。親会社のなすがままといった感じです。しかし、親会社が決めたことであっても、契約者に対して親会社が出しているリリース資料を見ておけ!という態度はちょっと…いや、かなり酷いもんじゃないでしょうか?既にハガキ等で案内をしているというのであれば、納得しますが。
 
余談ですが、スミセイ損保の社員…特に損害調査部門や商品管理部門の損保色の強い部署にいた人達はどうするんでしょうね?