損保ジャパンが事故サポートデスクを開設

株式会社損害保険ジャパンが2009年12月に事故サポートデスクを開設し、自動車事故の処理の一元化を進めるようです。
「自動車事故「事故サポートデスク」を新設」
http://www.sompo-japan.co.jp/news/download/200906111400.pdf
(株式会社損害保険ジャパン ニュースリリース・トピックス 2009.6.11)

株式会社損害保険ジャパン(以下「損保ジャパン」、社長 佐藤正敏)は、リテールビジネスモデル革新プロジェクト「PT-R」の一環として、2009年12月(予定)に業界最大規模(東京401、大阪162の計563ブース)の事故対応コールセンター「事故サポートデスク」を新設し、高品質かつ均質な自動車事故対応サービスの提供を開始します。

これは、損害サービスに関する社費の圧縮が第一の目的のような気がします。東京と大阪に関しては、多くの事案を事故サポートデスクだけで完結することになるでしょうから、要員配置も変わってくるものと思います。また、それ以外の地域についても、業務の一部が事故サポートデスクに移管されるでしょうから、やはり要員は減ると思われます。事故サポートデスクの人員の大部分は正社員ではないオペレーターでしょうから、トータルすると損害サービス部門の人件費が少なく済むのではないかと思います。
今後の予定としては2011年7月には、東京・大阪以外の地域についても、東京・大阪と同じことを事故サポートデスクで行うとのことです。そうなれば益々人件費削減の効果が出ることになろうかと思われます。
 
契約者にとっての最も大きなメリットは、事故受付だけでなく、初期対応も24時間365日可能となることでしょう。
そこから先は、損保ジャパンがいかにオペレーターにしっかりと教育するかと、その教育の内容(しっかりと払い渋りを教える…ではシャレになりません)次第かと思います。
オペレータの未熟さを補完し、付随的保険金の支払い漏れを防止するために、パッケージソフトを導入するとのことです。別に有名なパッケージソフトでなくとも構いませんが、システムによる補完は当然に必須です。しかし、肝心な有無責判断はシステム任せにはできないでしょう。そこをオペレーターに委ねるのなら、一抹の不安を感じます。
 
損害サービス部門の集約と効率化は、多分どの損保もやりたいと思っていることでしょうが、ここまで大がかりに手を入れて変更するのは確かに損保ジャパンが代理店系損保では初かもしれません。もしかしたら、もともと自前の査定網を持っていないダイレクト系損保はこれに近いかもしれません。
 
個人的には、このサービスの開始は保険法施行と同時にした方がいいと思います。保険法が施行されれば、保険金支払が所定の日数よりも遅れた場合は遅延損害金を支払わなければならないとか、調査拒否や指定医診断拒否を理由とする免責が認められないとかといった違いが出てきます。
オペレーターへの教育やシステムの実装を考慮するなら、すぐに変更になるのは費用が無駄だし、オペレーターも混乱します。そして、そのとばっちりを受けるのは、被保険者ということになるのでしょうから。