東京海上日動における台風18号の損害把握

平成21年台風18号は、10月8日(木)朝に愛知県に上陸し、そのまま本州を縦断して、各地に被害をもたらしました。消防庁災害対策室にて公表している情報(第7報 10月13日15時00分)によると、岩手,宮城,福島,茨城,埼玉,愛知,和歌山の7都道府県にて100戸以上の住家が床下浸水以上の被害を被り、全国では4,328戸の住家が床下浸水以上の被害を被ったとのことです。
大抵、このような自然災害があると、後日に日本損害保険協会から各損保の保険金の集計結果の発表があります。今回、東京海上ホールディングス株式会社がそれに先駆けて15日に、東京海上日動火災保険株式会社における保険金を公表しました。
「台風18号に関する損害発生状況について(速報)」
http://ir.tokiomarinehd.com/ja/Topics/Topics4177153758140173686.html
東京海上ホールディングス株式会社 Topics 2009.10.15)

これによる弊社子会社、東京海上日動の10月13日現在の事故受付状況(速報)を以下の通りお知らせいたします。
   (中略)
元受ベース発生保険金(東京海上日動幹事契約全社分)(注)
                         (単位:億円)
台風18号 火災・新種 自動車 海上・運送 合計
      25.9    5.8   53.3   85.1

 
「台風18号に関する損害発生状況について(更新)」
http://ir.tokiomarinehd.com/ja/Topics/Topics563737830502479188.html
東京海上ホールディングス株式会社 Topics 2009.10.20)

10月15日付け速報でご案内申し上げた台風18号による弊社子会社、東京海上日動の事故受付状況の最新情報を以下の通りお知らせいたします。
なお、下記数値は10月19日時点において把握可能な情報に基づき集計した速報値ですので、今後の損害確認等により大きく変動する可能性があります。
元受ベース発生保険金(東京海上日動幹事契約全社分)(注)
                         (単位:億円)
台風18号 火災・新種 自動車 海上・運送 合計
      39.6    24.6  59.3   123.6

勿論、厳密にはこのほとんどは保険金ではなく備金でしょうが、それは問題ではありません。
ここで注目したいのは、13日の時点でこの速報ベースのレベルが集計できていたということです。台風が被害をもたらしたのは主に 7〜9日とすれば、13日というのは 9日から1営業日しか経過していません。
この速報の意味するところは、各地でほぼ同時に損害が発生したとしても、その事故受付をこなし、短期間で損害額の算定をすることができる…損害調査部門の能力の高さを示していると考えています。そして、15日公開の速報と20日公開の更新の差(特に自動車)は、改善すべき点と言えます。
欲を言えば、事故件数も公開してもらいたかったです。
 
ちなみに、株式会社損害保険ジャパンは、15日時点における速報を19日に公開しています。そして、他のそれ以外の損保においては、現時点において公開されていません。
これまで、この手の公開は一般にされてこなかったのを、今回、東京海上HDが公開に早いタイミングで踏み切ったということ自体に意図があったのではないかと思います。その意図とは、損害調査部門の能力の高さのアピールではないかと私は思っています。
 
単発の事故は当然として、集中して被害をもたらす災害についてもすばやく対応できるだけの損害調査部門の能力があるということは非常に重要だと思います。
いろんな切り口で損害調査部門の能力は公開されるべきで、保険を選ぶ上で重要なファクターとして考慮する必要があると思いますが、現状はそうなっていないのが残念です。