SBIアクサ生命の株式譲渡

SBIアクサ生命保険株式会社は、SBIホールディングス株式会社(55%)とアクサ ジャパン ホールディングス株式会社(40%)が立てたネット生保です。あと、おそらくSBIホールディングス繋がりと思いますが、ソフトバンク株式会社(5%)も出資しています。
開業からまだ2年経っていないのですが、SBIホールディングスが株式のすべてをアクサ ジャパン ホールディングスに譲渡することになりました。
3社のサイトでそれぞれリリースされていますが、経緯について最も分かりやすいのはSBIホールディングスのものです。
SBIアクサ生命保険株式会社の株式の譲渡に関するお知らせ」
http://www.sbigroup.co.jp/news/2010/0208_3029.html
SBIホールディングス株式会社 ニュース 2010.2.8)

SBIアクサ生命は、当社が55%、アクサ ジャパン ホールディングスが40%を出資し、両社のジョイントベンチャーとして設立されたインターネット専業生命保険会社として、低価格で高品質な生命保険を提供しております。
その事業には大きな社会的意義があり、長期的に有望な事業でありますが、当社グループではインターネット金融事業において基本的にフルラインの商品提供を志向する中、SBIアクサ生命において提供する商品等、今後の事業戦略について、両社の間で考え方の相違が生じておりました。
そのような状況下、両社はSBIアクサ生命の経営安定と今後の持続的成長のためには、いずれか単一のオーナーのもとでより明確な経営戦略に基づき運営されることが望ましいとの認識で合意し、両社協議の中でアクサ ジャパン ホールディングが当社の保有するSBIアクサ生命の株式を取得することとなりました。

これによると、親会社であるSBIホールディングスとアクサ ジャパン ホールディングスの方針の違いから、どちらか一方がすべてを買い取ることになりました。
SBIホールディングスはフルラインの商品提供を志向していたとありますが、フルラインといった場合、2つの方向が考えられます。1つは商品面…死亡保険・医療保険の他に生存保険や年金など…です。SBIホールディングスのグループ会社を使えば変額年金もあるかもしれません。もう1つは販売チャネルです。インターネット以外のチャネルのラインナップの増加です。これは寧ろネットでは販売しにくい商品を売ろうとしたときに初めて必要になるかもしれません。
アクサ ジャパン ホールディングは、既にアクサ生命保険株式会社を持っていて、そちらで商品についてはフルラインを持っているし、対面販売も行っているので、そこと競合するようなことは望まないものと思われます。おそらく、SBIアクサ生命に対して、インターネットのみで販売することと、早く黒字化することを望んでいたのではないかと思います。私の勘ばかりですが、保険料戦略に対しても両社の考えは違っているような気がします。
 
「アクサ ジャパン ホールディングによる SBI ホールディングスからの弊社株式の取得について」
http://www.sbi-axa.co.jp/corporate/pdf/100208_a.pdf
(SBI アクサ生命保険株式会社 お知らせ 2010.2.8)
 
「アクサ ジャパン ホールディング、SBI ホールディングスからSBI アクサ生命の株式を取得」
http://www.axa.co.jp/holding/release/2010/20100208.pdf
(アクサ ジャパン ホールディングス株式会社 ニュースリリース 2010.2.8)