代理店が再保険会社設立!?

保険市場などで代理店営業をしているアドバンスクリエイト再保険子会社を設立するそうです。
再保険子会社の設立に関するお知らせ」
http://www.advancecreate.co.jp/ir/news/080930kyaputeibu.pdf
(株式会社アドバンスクリエイト IRニュース 2008.9.30)
 
ぱっとタイトルを見た時には、アドリックの自動車保険でも出再するのと思いました。よく考えたら、それはまったく無意味ですね。同じグループ内でリスクの移転をするだけで保険事故が起これば結局グループ内から同じだけお金が出ていくだけだし、まったく利益を生み出しませんから。寧ろ、事務コスト等がかかる分だけ出費が増えます。
さすがに、そんな馬鹿げたことはしないようです。
 
再保険と言えば、主に損害保険の分野のものです。しかし、この再保険子会社は、生命保険や第三分野を扱うらしいです。
おそらく、アドバンスクリエイトの本音は損保子会社に引き続き、生保子会社を作りたかったのではないかと思います。しかし、生保会社を新規に設立するのはかなり大変です。ましてや、本業が代理店では、生保商品の開発に必要な人材(保険数理が分からないとお話になりませんが、営業畑でできる人なんて皆無でしょう)や生保の経理のできる人材はいないでしょうし、大量の資金が必要な上に開業後の数年間は確実に赤字になりますから。
仕方なく、生保系の再保険子会社で手を打ったのではないでしょうか。
 
リリース資料からすると、保険市場での契約量に合わせて、元受会社に Q/S で出再するように要求するようです。これなら、簡単に一定の収益を上げやすそうです。
国内の第二分野,第三分野では集積リスクはまずないでしょうし、標準下体契約をちまちまと受けることはないでしょう。そもそも、標準下体契約なら良質なリスクとは言わないです。と考えても、やはり Q/S のような気がします。
出再する会社があれば、の話ですが…。半ば強引に交渉するのでしょうか?出す側からすると、アドバンスクリエイトの資力や格付からしてあまり気乗りがしないんじゃないかと思います。
 
【参考】
http://www.nni.ne.jp/080831/captive/captive.html
このサイトを見ると、日本の大手企業では自家保険と保険会社への付保との中間のような形でキャプティブを利用しているようです。