自動車保険の臨時運転者特約
自動車保険の記事を読んでいるとたまに「臨時運転者特約」を付けておきましょうといった内容のものを見かけます。一昔前に書かれてほったらかしになっている記事もあれば、最近の記事でも不勉強な自称専門家が書く記事にもあります。
今更言うまでもなく、現在リテール分野で主流の自動車保険では、「臨時運転者特約」の内容は年齢条件に関する特約に織り込んでおり、「臨時運転者特約」は存在しないのが一般的です。
損保関係者ではない普通の人はそんなこと知らないので、上述の記事を読んで誤解するケースが多々あります。
さて、大手損保に関しては、「臨時運転者特約」が存在しないと点について上述のとおりです。
ところが、ダイレクト系損保に関しては、まだ「臨時運転者特約」が残っている会社もあります。主なダイレクト系損保について、調べてみました。
ソニー損保の総合自動車保険 Type S
12/8のブログ「ソニー損保の自動車保険改定(2009年2月始期)」で書いたとおり、2月始期契約から大手損保と同様に「運転者の年齢条件に関する特約」内に含まれる形となります。
始期がそれより前の契約については、「臨時運転者特約」が存在しなかったようです。つまり、他人が乗る可能性があるなら年齢条件は付けないという選択肢のみだったということになります。
三井ダイレクトの総合自動車保険ダイレクトⅢ
正式名称「臨時運転者特約」で、任意付帯する形で存在するようです。
アメリカンホームのファミリー自動車総合保険
アメリカンホームは運転者の指定について自動車保険そのものが他の損保のものと異なります。まず、年齢条件に関する特約がありません。家族(別居の未婚の子まで含むいつもの範囲)の中で、車を運転する人を個別に登録するようになっています。その際にその運転者の年齢も登録します。その特約が「家族内記名運転者限定特約」です。そして、その特約を一部打ち消す形で「家族外運転者特約」が存在します。この「家族外運転者特約」は、登録した家族以外の他人が運転した時を担保する特約で、「臨時運転者特約」よりも広いものと言えそうです。
(他の損保に例えて強引な見方をすれば、「家族限定特約」と「年齢条件に関する特約」の両方を付帯した契約に、「家族外運転者特約」を付帯すると、家族ではない他人(年齢無条件)が補償範囲に含まれるということのようです。)