保険の基本問題に関するWG(3/3)

3/3 に開催された金融分科会第二部会 保険の基本問題に関するワーキング・グループの資料が公開されています。前回が12/19だったので、やや間が空いています。その間にも保険業界はいろいろな出来事が起こっていますが、このWGはそういうことと無関係のようで、やや象牙の塔のような印象を受けます。
「保険の基本問題に関するワーキング・グループ(第50回)議事次第」
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/dai2/siryou/20090303.html
金融庁 審議会・研究会等 > 金融審議会 > 議事録・資料等 2009.3.5)
例によって、議題が「保険募集・支払い等について」であることと配布資料が公開されているだけなので、どんな内容が話し合われたのか詳細は不明です。
おそらく、募集制度について、現状と課題、そしてどうあるべきかが議論されたのではないかと思います。
 
ただ、日本損害保険代理業協会はなんか勘違いしているような気がします。こんなところで自分のことをPRするのは、はっきり言って卑しい感じがします。
資料の中ではさかんに認定保険代理士とやらのPRをくどいほどしていますが、自社サイトの保険の説明で現在では誤っている内容(10年前なら正解)を載せているような団体なので、保険知識については信用できないと思います。
また、資料にある主張を見ても10年以上前の商品横並びだった時代の考えを未だに引きずっているように思えます。
 
逆に資料の作りは雑ながらも、中立的かつ客観的に現状や課題がまとめられている日本保険仲立人協会の資料は好感を持てます。その内容も論理的に筋が通ったものになっており、指摘されている現行の規制の矛盾や過剰さについてそのとおりだと思います。
保険会社のためではなく消費者のために保険を提案する、保険の販売だけでなく顧客に対して行ったサービスについて対価を得るということのためには、現行の代理店制度よりもブローカー制度の方が理にかなっています。そのためには、保険に関してエキスパートと言えるレベルではないと難しいと思います。一方、保険会社は自分のコントロール下におけなくなるので嫌がるでしょうし、保険に関して疎い代理店も契約者を奪われるので嫌がるでしょうから、必死に圧力をかける…今はそういう状態のような気がします。
 
昔ながらの募集制度にはいろいろと問題が出てきていますし、募集方法もブローカー経由や通販などバランスよくかつ公平に多様化すべきだと思います。
販売側が一方的に自分に都合の良い方法に誘導する時代ではもはやないのですから、そのあたりを踏まえた結論を出してもらいたいものです。