保険代理店に対する新たな管理手法?

読売新聞に興味深い記事があります。
ただ、東京海上日動火災保険株式会社自身がリリースした内容でもないし、他のマスコミの反応もないのでどこまで記事をあてにして良いのか不明です。
「保険代理店、顧客サービスで格付け…東京海上
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090829-OYT1T00537.htm
YOMIURI ONLINE 2009.8.30 2:38)

東京海上日動火災保険が、保険販売や事故時の対応などを行う代理店を評価する専門部署の新設を検討している。
サービス内容や契約者からの声をもとに、業界で初めて代理店を3段階程度にランク付けする。差別化によって、事故後の対応や保険商品の案内など総合的なサービス充実を図るのが狙いだ。
代理店を評価する審査部門を年度内にも新設し、身分を隠した審査員が訪れたり、契約者にアンケートをとったりしてサービス内容を評価する。従来のように販売実績だけの評価でなく、サービス力を見極める。顧客に評価内容を公表することも検討している。
代理店ごとに〈1〉契約から事故時の調査、保険商品のコンサルティングなど幅広く対応可能〈2〉契約手続きだけを行う〈3〉契約希望者を仲介する――など取り扱い業務でクラス分けし、サービス力を加味してランクを決定する見通しだ。

この記事で、注目すべき点は2つあると思います。
1つ目は、ほとんどの損保会社では代理店に対して販売成績や業務力に応じたポイントを付けて管理していますが、その評価について営業担当部署ではなく評価専門の部署を作ろうという点です。勿論、代理店手数料にも影響のある話でしょう。
もう1つは、評価結果を公表するという点です。これは、高得点であるほど、東京海上日動のお墨付きということを意味することになります。
 
興味深い施策ですが、平均以下の代理店に関しては厳しい状況になると思います。
個人的には、方向性としては良いと思いますが、1社でやる事ではなく業界として行う方が望ましいと思います。
そして、「契約から事故時の調査、保険商品のコンサルティングなど」に関しては、保険料から手数料として代理店に払うのではなく、外枠にするべきだと思います。それは、契約者からサービス料として代理店が直接徴収するという考え方もありますし、保険会社の業務の一部を委託するという位置付けなら委託料として保険会社から払うという考え方もありえます。
いずれにせよ、代理店のサービスが均一ではないのに、保険料は同じであるのはおかしいと思います。また、代理店毎のサービス格差があるにもかかわらず、外からはそれが見えないのもおかしいです。
 
もしも、東京海上日動がこの施策を大々的に行い、そして、その効果が顕在化した時には、他社も追随する可能性が高いと思います。
その時には、それぞれの代理店の特色が今よりもはっきり出てくるものと思われます。