日本興亜損保とチューリッヒの業務提携

12月5日に「日本興亜損保とチューリッヒの業務提携」と同じタイトルのブログを書いたのですが、その時は業務提携の検討を開始するというニュースリリースが元ネタでした。
今度は、業務提携を合意したというニュースリリース日本興亜損害保険株式会社から 9月4日付で出されています。
チューリッヒ社との業務提携の合意について」
http://www.nipponkoa.co.jp/news/whatsnew/2009/news2009_09_04_zurich.pdf
日本興亜損害保険株式会社 ニュースリリース 2009.9.4)
前回リリース時に『主に日本の企業保険分野を想定しています。』とだけあったのですが、今回はどのような内容なのか書かれています。
1つ目の『(1)キャパシティー(引受限度額)の補完』は、何だか無理矢理挙げているような印象を受けます。再保険契約を結ぶだけなら、わざわざ業務提携しなくとも可能でしょうから。そして、外資との共同保険は単なる絵のような気がします。
寧ろ、日本興亜損保側の真の目的は『(2)海外における引受体制の補完』『(3)その他グローバルなソリューション拡大に向けた将来の取り組み』にある海外進出の足掛かりを得ることにあるのではないかと思えます。(1)は、そのバーターではないでしょうか。
 
もう1つ↓のことが書かれています。

○リスクコンサルティングに関する共同事業
チューリッヒの有するグローバルなリスクエンジニアリング技術と、日本興亜損保の日本マーケットでの経験に基づくノウハウを融合し、グローバルにビジネス展開する日系企業に特化した、高度かつ専門的なリスクコンサルティングサービスを、チューリッヒと共同で提供していきます。
  (中略)
共同事業は当面日本興亜損保の関連会社であるエヌ・ケイ・リスクコンサルティング内に事業部を設置しますが、同事業部は日本興亜損保チューリッヒとの共同出資の会社とする予定です。
なお、エヌ・ケイ・リスクコンサルティングは同事業部を除き、現在提供しているサービスをすべて含め損保ジャパン・リスクマネジメント社と合併する予定です。

エヌ・ケイ・リスクコンサルティング株式会社は、これによると、チューリッヒ保険会社との合弁部分と従来部分に分離し、損保ジャパンとの統合後は、前者は日本興亜損保の配下になり、後者は損保ジャパンの配下になりそうです。
穿った見方をすれば、エヌ・ケイ・リスクコンサルティングの一部を日本興亜損保の配下に切り離すことを最初から視野に入れた提携かもしれないとちょっと思っています。