損保各社の約款公開状況
3/10のブログ「週刊ダイヤモンド(3/14号)保険特集」では、週刊ダイヤモンドの3/14号の保険特集についてざっくりと感じたことを書きました。
その中の Part 1 の「Column ｢約款は契約時に渡すもの｣ 情報公開に消極的な生保の姿勢」では生保だけがターゲットになっていますが、損保についてWebサイトで公開している範囲について書いてみようと思います。
その前に、週刊ダイヤモンドに記載されていた各社の約款の送付について、念のため書いておきます。
約款の送付
× アクサ生命
× 朝日生命
○ アフラック
○ アリコジャパン
× かんぽ生命
× ジブラルタ生命
× 住友生命
○ ソニー生命
○ 第一生命
○ 大同生命
× 太陽生命
○ 日本生命
× ハートフォード生命
× 富国生命
× 三井生命
○ 明治安田生命
＊生命保険協会ホームページに記載されている各社の相談窓口に電話し、保険のパンフレットと約款の郵送を請求した。総資産上位16社を対象とした。
約款を送付できない理由としては、「約款は加入してから渡す」(三井生命保険)、「契約についてくるもの」(住友生命保険)との返答が多数を占めた。
軽いカルチャーショックを受けました。損保においても契約前に約款を渡すことは一般的にはしませんが、送付を頼まれて断るということは代理店系損保ですら普通はしないでしょう。
実は、損保の国内社すべてについてリテール分野向けのメインの商品の約款は紙ベースなら読むことは可能です。それは、日本損害保険協会の１Ｆで公開されています。ただし、持ち帰りは不可です。おそらく在庫に限りがあるからでしょう。このことからも生保のように依頼をしても約款の送付を断るというケースはないものと思われます。
従って、同じレベルではまったくお話にならないし、個人で調べるにも限度があるので、冒頭に書いたとおり、Webサイトで公開しているか否かについて調べてみました。なお、公開とあるのは、契約申し込み前にダウンロード可能または参照可能であることを指しており、それがサイト内の分かりやすい位置にあるかどうかは不問としています。なお、私が見つけられた範囲で判定しているので、存在しているけど見つけられずに非公開としてしまったものがあるかもしれません。
自動車保険
【公開】
東京海上日動，損保ジャパン，日本興亜損保，ソニー損保，三井ダイレクト，アクサダイレクト，そんぽ24，SBI損保，チューリッヒ，アメリカンホーム
【非公開】
三井住友海上，あいおい損保，ニッセイ同和
傷害保険・医療保険
【公開】
東京海上日動，損保ジャパン，ソニー損保，三井ダイレクト，アクサダイレクト，アメリカンホーム
【非公開】
三井住友海上，あいおい損保，日本興亜損保，ニッセイ同和，チューリッヒ
大手損保の中では、東京海上日動と損保ジャパンが群を抜いて優れています。開示している商品の数では東京海上日動に軍配が上がりますが、中身のPDFファイルの出来は損保ジャパンの方が上だと思います。逆に、まったくダメなのが、三井住友海上，あいおい損保，ニッセイ同和の３社です。
インターネットで募集されている商品は当たり前ですが大抵公開です。微妙なのがチューリッヒです。自動車保険は強引に探したら見つかったのですが、普通には契約前にダウンロードできないようです。ここには列挙しませんでしたが、セゾン自動車火災もインターネット募集しているにもかかわらず約款が見つかりません。
また、ソニー損保の火災保険はソニー銀行のサイト内にあります。これはソニー銀行の住宅ローン借入者にしか火災保険を販売していないためでしょう。
なお、ダイレクト系損保に分類されているとはいえ、その損保で販売している商品全てが必ずしも通販とは限らないし、ましてやインターネットで契約できるとも限りません。
