生命保険契約者保護機構への国の補助の延長

生命保険契約者保護機構の資金は基本的に可能な限り生保各社が拠出しますが、それでは足らない場合に国が出すことになっています。
それは、保険業法附則 第1条の2の14(特例会員に係る資金援助等に係る政府の補助)の第1項↓にて定めているとおりです。

政府は、生命保険契約者保護機構がその会員(平成十八年四月一日から平成二十一年三月三十一日までの間に第二百四十二条第一項に規定する管理を命ずる処分を受けたものその他政令で定めるものに限る。次条第三項において「特例会員」という。)に係る資金援助その他の業務に要した費用を第二百六十五条の三十三第一項の規定により当該生命保険契約者保護機構の会員が納付する負担金のみで賄うとしたならば、当該生命保険契約者保護機構の会員の財務の状況を著しく悪化させることにより保険業に対する信頼性の維持が困難となり、ひいては国民生活又は金融市場に極めて重大な支障が生じるおそれがあると認める場合(政令で定める日における当該生命保険契約者保護機構の借入残高に、当該生命保険契約者保護機構が当該費用を借入れにより賄うとした場合の当該借入れの額として政令で定める額を加えた額が当該生命保険契約者保護機構の長期的な収支を勘案して政令で定める額を超える場合に限る。)には、予算で定める金額の範囲内において、当該生命保険契約者保護機構に対し、当該費用(特定業務に要したものに限る。)の全部又は一部に相当する金額を補助することができる。

生命保険契約者保護機構のサイトでもそのことが噛み砕いて説明されています。
「Q3 保護機構の財源は、どこから出ているのですか。」
http://www.seihohogo.jp/qa/qa3.html
生命保険契約者保護機構 生命保険会社の保険契約者保護制度Q&A)

 
これによると、国が補助するのは 2009年3月までのことで、それ以降は業界内だけでやれということになっています。この附則の(特例会員に係る資金援助等に係る政府の補助)に関しては、期限が2回ほど延長されています。期限を定めているということは、多分いずれは各生保の財務体質も良くなって破綻する生保が出ることはないし、あっても残ったそれ以外の生保からの拠出で充分だろうという読みがあったのではないかと思います。
確かに、3か月くらい前までは、その読みは概ね当たっていたと言えます。ところが、急に状況が変わりました。現状の株安・世界的な信用不安の状況を鑑みると、再び期限を延長して2009年4月以降も現行のまま国が補助できることを法で定めておかないと拙い状態です。
 
という訳で、本日金融庁からこの部分の改正案↓が出されました。
「第170回国会における金融庁関連法律案」
http://www.fsa.go.jp/common/diet/170/index.html
金融庁 国会提出法案等 > バックナンバー 2008.10.24)
 
よほどの常識外れでない限り野党もこの法案には反対しないでしょうから、案のまますんなりと可決すると思います。