損害保険の必要性

車に保険を付けるべきか?とか、家に保険を付けるべきか?とか、その他諸々に保険を…と、この類の質問は保険に関する質問の中でも多い部類だと思います。
この問題を考えるには、そもそも保険とは何か?ということについてしっかりと自分の考えを持っておくべきだと思います。その基準がはっきりすれば、原則としてそれに合致するものに保険を付ければ良いと整理できるからです。
 
保険とは何か?という問いに関して、「ギャンブル」というのは論外として「相互扶助」ともちょっと違った見方を私はしています。大局的に見れば「相互扶助」をいう見方は正しいと思いますが、個人的な視野で見るとピンとこない感じがします。
私の見方は、保険とは「リスクヘッジ」あるいは「リスクの転嫁」です。つまり、事故に遭った際に自分の資産が目減りするのを防ぐ手段ということです。
 
一般論として、リスクに対しては、「保有」,「回避」,「移転」,「低減(最適化)」の対処があります。
日常生活においては、「低減(最適化)」…事故が起こらないようにできる限りのことはしているでしょうし、「回避」は現実的ではありません。例えば、自動車事故を起こすリスクを回避するには、車を運転しないという選択になってしまいますから。(自動車保険の対人・対物の保険料も払えないくらい貧乏なら、車を運転すべきではないという理屈はこの「回避」にあたります。)
従って、一般の人の場合、リスクに対しては「保有」または「移転」のいずれかの手段を取るのが普通です。リスクが顕在化したとき、つまり事故が起こったときに、その損失を自分で持つかどうかで「保有」するか「移転」するか考えれば良いと思います。この「移転」の具体的手段の1つが"保険をかける"ということになります。なお、「保有」とは、具体的には、事故が起こったら自分の貯金などから出費する(=損失を自分で持つ)ということになります。
例えば、自動車保険では、対人・対物は非常に大きな損失が出る可能性があり、余程の大金待ちでなければ自分でそれを持つことができません。なので、これは保険をかけておくべきということになります。一方で車両保険は、損失が出たとしてもせいぜい自分の車の分だけです。ダメになったら自腹で買い直すことができる程度で、そういう判断をしたのであれば、そのリスクは「保有」しても全然問題ありません。
 
念のためにタイトルの件についてまとめると、『事故時(リスクが顕在化したときの)損失を自分で持てない場合には、保険をつけることが必要である』というのが私の根本的な考えです。