東京海上日動の社内PCシンクライアント化

東京海上日動火災保険株式会社が社内PCをシンクライアントにするとのことです。
「セキュリティの強化と対応負荷軽減を両立 システム運用コスト30% 削減を目指してシンクライアントシステムを導入 〜国内最大級規模、30,000台を全社展開〜」
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/j0201/pdf/090929.pdf
東京海上日動火災保険株式会社 ニュースリリース 2009.09.29)

東京海上日動火災保険株式会社(本店:東京都千代田区、取締役社長:隅修三、以下東京海上日動)は、情報セキュリティ強化やシステム運用コスト(TCO)削減などを目的に、国内最大級の規模となる仮想PC型シンクライアントシステム(注1)の構築を開始しました。本年から試行導入し、2010年度から約30,000台を全社展開する計画です。
   (略)
シンクライアントシステムでは、端末内にはデータやソフトウェアを一切保存せず、サーバで集中管理・一括運用することが可能になり、これまで端末毎に人手で行っていた管理ルールの遂行・モニタリングの大半が不要となり、高セキュリティ環境の維持・強化に必要とされる社員の負担やコストの大幅な低減が可能となります。同時に、こうした作業に要していた社員のリソースを本来の業務に集中させることで、業務品質の向上、顧客満足の向上につなげることができます。

アプリケーションの保守やセキュリティの観点から大企業ではシンクライアントの導入が以前から検討されていたことと思われます。一昔前は性能不足や機能不足などで二の足を踏む企業が多かったのですが、最近はそのあたりの問題も解消して実用レベルに達しているようです。
実際、一時的にPCの入替のコストは相当かかるでしょうが、長期的に見ればコストや管理面でメリットが大きいと思います。しかし、ここで「社員のリソースを本来の業務に集中」と言っている点に関しては疑わしいです。システムの運用管理をしていた人が急に保険業務などできるわけありませんから。
ただ、ローカルにデータを置かずにサーバで一元管理するということはサーバやネットワークに障害が起こった場合はPCが一切使えないというリスクが生じます。しかし、そこも当然に対策は立てているのでしょう。
それにしても、30000台の導入はなかなか凄いです。社員数よりも多い台数ということは多分関連会社などにも導入するのでしょう。
この件はNECのサイトに導入事例として紹介されています。
http://www.nec.co.jp/library/jirei/tokiomarine-nichido/contents.html
 
情報漏洩のリスクやバージョン管理などの手間を考えるなら、次は代理店にもシンクライアントの導入をしたいというのが本音ではないかと思います。
こちらはなかなか難しいところもあるかと思うのですが、いずれ何らかの形でやるかもしれないと思っています。