音声テキスト変換(2012年)

三井生命保険株式会社みずほ情報総研株式会社の「音声認識ソリューション」を導入するというニュースリリースがありました。
「三井生命 コールセンター機能の強化について
 〜音声認識ソリューションを導入してお客さまの声をあらゆる業務の品質向上に活かす〜」
http://www.mitsui-seimei.co.jp/corporate/news/pdf/20120613.pdf
三井生命保険株式会社 三井生命ニュース 2012.6.13)
みずほ情報総研、三井生命に「音声認識ソリューション」を提供」
http://www.mizuho-ir.co.jp/company/release/2012/voice0613.html
みずほ情報総研株式会社 ニュースリリース 2012.6.13)

みずほ情報総研株式会社(本社:東京都千代田区代表取締役社長:井上 直美)はこのたび、三井生命保険株式会社(本社:東京都千代田区代表取締役社長:山本 幸央)より「音声認識ソリューション」を受注致しました。みずほ情報総研保険業に特化し独自に開発した「音声認識ソリューション」の採用は国内資本の生命保険会社では今回が初めてのことであり(※)、三井生命保険では2012年8月からの本格稼動を予定しています(※みずほ情報総研調べ)。

核となる音声認識のアプリケーションは、株式会社アドバンスト・メディアの AmiVoice です。
一応、上のニュースリリース文書にツッコミを入れておくと、『国内資本の生命保険会社では今回が初めて』とありますが、旧AIGエジソンメットライフアリコ生命保険株式会社全国労働者共済生活協同組合連合会、そして具体名は出されていませんが大手損害保険会社で AmiVoice 導入の実績があります。
確かに間違いではないのですが、わざわざ『今回が初めて』と言いたいがために、この文章を入れているのならちょっとみっともないです。
 
このシステムについては以前に「音声テキスト変換」(2009.4.29)で旧 AIGエジソン生命保険株式会社(現 ジブラルタ生命保険株式会社)が導入した時に題材として取り上げており、通話ログをテキストにすることに関して思ったことを書きました。
アドバンスト・メディアみずほ情報総研のサイトを見た限りでは、システムとして格段に高機能になったということはないようです。
高い精度で認識できるのは保険会社のオペレーターの発言部分であり、それを利用した機能を具備している部分は以前のものと同様みたいです。顧客の発言をテキスト化して利用する機能はなさそうです。
従って、私の中での評価も変わっていません。
 
ついでに気になったので、ちょっと軽く調べて見たら株式会社アイティフォーも類似のシステムを持っているようです。
同社のサイトの「会話分析」の機能を見る限りでは、みずほ情報総研のものよりも高機能であるように思えます。ただ、保険会社向けへのカスタマイズや導入実績ではみずほ情報総研に見劣りする感が否めません。
 
余談ですが、このシステムは保険会社のオペレーターの発言をターゲットにすることから、単なる問い合わせ窓口への導入には不適であり、電話による募集行為を行う場合に最適と考えられます。
しかも、けして安いシステムではないはずです。また、ニュースリリースを出しているということは、経営側として重要な施策の一環として行っており、それを世間に周知したいという意図があるはずです。
これらを総合すると、三井生命は電話による募集を強化するということが導き出されます。さて、どうなのでしょうか…